弊社ではカーコーティング各種、ホイールやウィンドウの洗浄、コーティングまで幅広く携わらせていただいております。
今回はホイールについて触れさせていただきます。

最近施工させて頂いたホイールの一部の写真。人は自分を写す鏡と言いますが、車もそうかもしれません。
近年では様々なデザインのホイールを見かける様になりました。
カーディテーリング業界においてホイールパーツは仕上がりを左右するとさえ言われる重要なファクター。
車の美観もホイール一つで印象はガラッと変わります。一昔前まではホイールの標準装備といえばスチール(鉄)ホイールでしたが、最近では標準でアルミホイールを装着した車も少なくありません。
しかしスチールよりアルミの方が良いのか?
と言われると一概にそうとも言い切れません。
スチールを愛するユーザーも数多くいるからです。
誰かが短所と感じるところは誰かが必ず長所と感じてくれます。
見た目か中身か、、、ではないですがそれぞれメリット、デメリットは粗悪品でない限りあると思います。

ジムニーなどに装着されるスチールホイール。
その強固さときたらタイヤがバーストしてもしばらく走れると噂されるほど。(絶対におやめ下さい)
先日、新規でお問い合わせいただいたお客様よりアルマイト処理をされたホイールについてご相談がありました。
くすみが発生してしまった様です。
そこで今回は手前味噌ですがアルミホイールのお取り扱いの注意点等、ご説明できればと思います。
ホイールの種類ホイール自体の素材といえば有名どころでいえば
スチール(鉄)
アルミニウム (軽銀)
この二種になるかと思います。
他にもマグネシウムやカーボンといった様々な素材のホイールがありますが、とても高価なためレーシング用やイベントなどでしか滅多にお目にかかれません。(一本あたりマグネシウムは30万円前後。カーボンは200万前後)
しかしながら一口にアルミホイールといっても製造方法も違ったり(鍛造・鋳造等)、カラーの塗布の仕方(メッキ処理等)によっては使用ケミカル(薬剤)も注意が必要になってきます。
うっかり通常のアルミホイールと同じ様に取り扱っていると変色してしまう事もあります。
メタリック塗装
こちらはスタンダードとされるメタリック塗装。ナットを変えるだけで清楚かつエレガントな仕上がりに。
ボディの塗装同様の過程で耐熱メタリック塗装がされています。
クリアコートも入っているのでしっとりとツヤのある外観になります。実はこのスタンダードが最も耐薬品性があり、お手入れし易いです。
基本的にはアルカリや酸性ケミカルなど、各種洗剤、クリーニングの薬剤の使用が可能です。
ガリ傷が増えてしまってもリペアもやられている業者さんも多数ありますので、付き合い易い装備なのは間違い無いです。
ハイパー塗装というのも高級車などでお見かけする事もありますが、耐久性や耐薬品生は比較的強いので、メタリック塗装同様のお手入れが可能です。

スタンダードタイプと比べ少し黒味のかかった輝きが高級感と渋味を醸し出します。
アルマイト
ゴールドのアルマイト処理が施されたホイール。大胆かつゴージャス。つい二度見してしまいます。
アルマイトは、陽極電気分解によりアルミニウムの表面に酸化被膜を発生させて塗膜を施すカラーで、そういった加工をアルマイト処理、もしくは陽極酸化処理と言います。
メッキと似ていますが、、性質や構造は違い、金属の表面上にメッキ層を形成するメッキに対し、アルマイトはアルミの素地を溶解して浸透し、その表面にアルミナという被膜を形成します。
元より酸化被膜(錆の被膜)なので錆などの腐食が素地のアルミまで進行しづらく、外観の経年変化に強い表面処理です。
さらにアルミより耐久性があり、スリ傷も付きにくいとされています。
反面、傷などで下地のアルミがむき出しになってしまうほどのダメージを与えてしまうと、その部分から腐食しやすくなります。
が、その点は全タイプ共通の課題ですのでアルマイトだから、というわけではありません。
注意点アルマイト処理されたホイールは迫力がありカッコいいですが、取り扱いはデリケートな部分もあるので注意が必要です。
アルマイト処理が施された上からクリア塗装されているものもありますが、ホイールに限らずモール部等そうでないものも多いです。
例えばアルカリ系や酸を含むワックスや洗剤等を使用するとくすみやシミ、変色が発生してしまうことがあります。
強力なアルカリ性のケミカルはアルマイトを剥離するときに使う業者さんもあります。雨や水道水にもアルカリは含まれますが、微量に含まれる分には問題ありません。
付着した場合には放置するとほぼ確実にダメージで変色したりするので、流水で速やかによく洗い流すようにしましょう。
しかし頻繁にアルカリ性洗剤等で洗浄すると徐々にダメージが蓄積されていきますので気を付けたいところです。
クロームメッキ
輝くブラックが青空を反射させ青色に。妖艶な魅力が漂っています。
陽極の反応を利用して処理するアルマイトに対し、クロームメッキ加工は陰極の反応を利用して加工されています。
アルミの表面を「電気(陰極)クロームメッキ」処理を施すことにより、薄い鏡調の塗膜を施すカラータイプ。
見た目は鏡面が多く光沢も申し分ないので、高級感あふれる仕上がりとなります。
スタンダードな塗装タイプや切削タイプと呼ばれるダイヤモンドカットに比べ価格レートは高め。
メッキ処理は酸化(錆)などに強く、ベースと素材と異なる金属を上乗せし、ベース素材の弱点をカバーしようという効果もあります。
注意点クロームメッキは非常に強固な膜を表面に形成しますが、ピンホールや飛び石など層に深めの傷がついてしまうとそのポイントから剥離してしまうという事例が多く、耐スリ傷性能は低いとよく評価されてしまいます。
メッキの性質なので仕方ないと言えば仕方のないことではありますが、ダメージを受けた部分からベースのアルミが錆び、メッキが剥離していくので、
こまめにメンテナンスをして綺麗な状態を保つのが長く付き合っていくポイントです。
深い汚れやダメージを受けてしまった場合、強力なケミカルを使用すると、メッキが弱っているため、普段問題ない様なケミカルやクリーニング剤でも変色してしまったり最悪剥離してしまう事もあります。
酸性は直にダメージを受けるためクリーニング剤等成分には注意してください。
アルカリ性のケミカルでも素材が弱っていると変色したりしてしまうことがあります。
スパッタリング
クールビューティー。内に秘めた凄みを感じます。
スパッタリングは化学反応により真空中の被膜を付着させるメッキ加工です。
クロームメッキの様に高級感あふれる質感を出し、タイヤの存在感をググッと前面に押し出してくれます。
通常塗装より高いものの、「クロームメッキ」に比べると比較的安価で加工できるという点も含め人気があります。
外観もクロームメッキに非常に似ています。
シルバーの鏡面タイプのものが多いですが、カラーの付いたタイプもありますので、好みのホイールも見つけ易いかと思います。
注意点スパッタリングはアルマイトやクロームメッキと比較すると下地のアルミとの密着性が低いため、剥がれ易いです。
メンテナンスの際はアルマイトやクロームメッキ然り、トップにクリアコートがされていればスタンダードタイプのような対応も可能ですが、
施行店によってはクリアコートの厚みが違うことがあります。
スパッタリング塗装自体は非常にデリケートですので、特に酸性ケミカルは使用を控えた方がいいです。
アルカリや鉄粉除去剤も濃度が高いものになるとくすみや変色が起きることがあります。
ダイヤモンドカット
ベンツの純正ホイール。星型のスポークで紳士的なオシャレ。スポーク表面の輝きが良いアクセントになっています。
これはスポークの表面にダイヤモンドカットという切削加工が施されています。
CDの表面の様な輝きを演出することができます。
そのままクリア塗料を表面に塗布し、アルミ本来の光沢を最大限に引き出した加工法と言えるのではないでしょうか。
塗装やアルマイト、クロームメッキはとは違った味の高級感を演出できるので、こちらの加工を好まれるユーザーも非常に多いです。
車種によっては純正ホイールにこの加工が施されている車もお見かけする事も多いです。
注意点純正装備車もあるぐらいですからメタリック塗装やハイパー塗装と同じ様な対応で問題ありませんが、飛び石や深いダメージによるいわゆるクリア剥がれを起こしてしまうと、白錆というくすみの様なものが発生し非常に目立ちます。
白錆は下地のアルミの酸化により発生するもので、劣化などによりクリアが落ちてしまった場合然り、アルミが直接空気に触れているとアルミの特性として必ず発生してしまいます。
他のホイールも起こらないことはないのですが、ダイヤモンドカット施行部は一層目立ってしまいます。
メタリック塗装もそうですが、下地のアルミ自体はそこまで対薬品性は強くありません。
そこを下手にケミカルなどで落とそうとすると、ダメージで悪化して広がってしまう事も。
基本的には白錆は削り落として再塗装するものなので無理をして悪化させてしまっては元も子もありません。
ダイヤモンドカットのリペアは比較的高額なことが多いです。
終わりにここまで書き起こしてきましたが、全てのタイプに共通して言えるのが、中性洗剤であれが何かしら異常が起きた、という事例は聞いた事はありませんので、安全ではあるかと思います。
酸性やアルカリ性のケミカルは確かに強力で汚れやくすみを落とせるものもございますが、ホイールの種類や状態を吟味し、汚れやくすみの原因を見極めた上で、慎重に取り扱う必要があります。
参考になるような内容があれば幸いでございます。
気になることがあればお力になれる部分もあるかとは思いますので、是非とも一度ご相談ください。
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