磨き屋さんブログ


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Category: 磨き屋のウンチク   Tags: ヘッドライト  黄ばみ  原因  除去  

ヘッドライト黄ばみの原因と除去方法

ヘッドライトレンズカバーの多くは、ポリカーボネートが使用されています。
ポリカーボネートがヘッドライトカバーに採用されたのはは割れにくく燃えにくい素材性、耐衝撃性や寸法安定性の高さ、
透明度が高く様々な形状に加工する事が容易である為です。

樹脂製ヘッドライトカバー

昭和30年から50年代にかけて主流だったガラス製のヘッドライトにとって代わったわけですが、
ガラス製のヘッドライトでは起きなかったトラブルが発生しているのが事実です。
まずはガラスとポリカーボネートそれぞれの素材の特徴を比較します。


              ポリカーボネート      /       ガラス
透明度             86%               92%
屋外耐候性        紫外線劣化を起こす           非常に良い
強度             非常に高い             非常に低い
鉛筆硬度           1H~HB程度              10H以上
難燃性             自己消化性              不燃性
比重               1.2                 2.5
紫外線カット        良い(紫外線を吸収)         悪い(カットせず)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
特徴              ・割れにくい             ・傷に強い
                ・燃えにくく安全             ・耐久性が高い

欠点              ■傷が付きやすい            ■割れやすく危険
                  ■耐候性が弱い             ■加工が困難、重い


まずポリカーボネートの弱点として
表面硬度の弱さが挙げられます。
一般的な自動車塗装の硬度が1H~2Hなのに対しポリカーボネートはHB~1H程度と柔らかいため
キズが付きやすく、白濁なども起こりやすくなります。

耐溶剤性
アルカリ有機溶剤に対して非常に弱く、溶解やクラックなどを起こします。
注意)ヘッドライト研磨等で磨き終えた際に脱脂の為シリコンオフを使用したり
カラーフィルムを剥がすためにラッカーシンナー等を使用すると瞬時、又は徐々に確実にクラックが入ります。

紫外線
紫外線に非常に弱く、黄ばみ(黄変)やクラックなどを起こします。
ポリカーボネート樹脂は紫外線の照射を受け続けると表面が化学変化を起こし、成分転位生成物に」変化します。
生成物は、黄変、または茶褐色の物質で、出来上がった表面は紫外線の吸収を行いある一定以上になると
紫外線による変化は止まります。この透明度が無くなり黄色く変化した状態が“黄変”と呼ばれています。

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上記、現在のヘッドライト樹脂の特徴や脆弱さから、主な劣化の原因となっているのは
紫外線の影響と溶剤や油脂汚れの蓄積による劣化だと考えられます。
あまり知られていませんがヘッドライトハードコート層の上にボディーから流れたWAX(簡易ガラス系コーティング剤等を含む)
などの溶剤や植物性油脂(松脂・花粉など)が、太陽光に含まれる紫外線(UV:ultra violet)により劣化し酸化被膜化する事。
また、酸化していく際にハードコート層に侵食、やがてハードコート層自体もも劣化させてしまう事です。
露天駐車の場合や年数の経過した車両など長期間紫外線にさらされた場合はさらに劣化を促進させます。
紫外線が当たりやすく、汚れの蓄積しやすいヘッドライト上部などから劣化が始まるのもこれが原因と考えられます。


対処方法
ヘッドライトクリーナー等が多く販売されていますが、これはハードコート表面に付着した汚れの除去のみで、
ハードコート層をクリーニングする効果はありません。ごく軽度の汚れやくすみには効果が期待できますが、
劣化が激しい場合の復元は難しく、コンディションもすぐ戻ってしまいます。
また石油系溶剤がベースに使用されているため、上記で説明した“溶剤に脆弱”という特徴から
ポリカーボネートに長期間塗布するとクラックや白濁の起因になり得ます。
ハードコート層に問題が起こっている場合は、それを研磨して除去する必要があります。
高硬度なハードコートはコンパウンドでの研磨、除去は困難な為、通常は耐水ペーパー等による研磨が必要です。

当店のヘッドライトリペアは温水による溶解脱脂を行い、ヘッドライトコートは耐紫外線に特化した専用コート剤
を塗布し保護致します。また、耐候性の強いプロテクションフィルム(溶剤不使用)での保護といった施工も行って
おりますのでヘッドライトの劣化にお困りの方は是非お問い合わせください。
ヘッドライト再生施工例を新しい順に見るにはこちら

ポルシェ ヘッドライトヘッドライト 黄ばみ除去ヘッドライトコーティングR8 ヘッドライト

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Category: 磨き屋のウンチク   Tags: 磨き      

研磨剤(コンパウンド)の種類のお話

お客様から研磨剤に関してのお問い合わせが有りましたので、
今回は少し専門的なお話。

塗装を研磨する為の成分にはたくさんの研磨粒子の種類が存在しますが、
3つに大別してその特性について説明します。

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①酸化アルミニウム
通称「アルミナ」、現時点ではコンパウンドの原料として主流です。
焼くことで生成される焼成アルミナで、中でも最も硬度の高いαアルミナが広く知られており、
中間研磨~仕上げ方向の製品に多用されています。

②シリカ
二酸化珪素(SIO2)の総称で、たくさんの種類があります。
研磨剤として使用されるのは珪藻土系のシリカです。
形状が粗く、研磨の際には砕けて細かく粉砕することから研剤の原料に用いられています。
現在では粗さと柔らかさのバランスが取れたソフトシリカも初期研磨剤として使用されています。

③珪酸アルミニウム
珪酸塩化合物。粒子が柔らかく微細です。
石鹸などにも利用されるほどソフトな研磨粒子です。
近年、品質研究・改良が進み、その性質を利用して最終仕上げなど微細な研磨に利用されています。




自動車の塗装が進化していく事に合わせて研磨剤も進化していきます。
高品位塗装が一般化し、高硬度の水性塗装から復元性のある高弾性塗装まで、
それぞれ性質が異なります。
当店にお持込みになられるお車の使用状況や塗膜状態なども、やはり一台一台違うので、
手前共はそれぞれの状況に対応できるように、研磨剤ひとつをとっても万全の準備を整え、
その特性を良く掴んでおく必要があるわけです。


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Category: 磨き屋のウンチク   Tags: 黄砂    影響  対処  洗車  方法  PM2.5  花粉  

黄砂の車両への影響と適切な対処(洗車)方法~PM2.5と花粉~

黄砂とは?

文字通り「砂」の種類ですが、その由来は主としてゴビ砂漠やタクラマカン砂漠、黄土地帯で偏西風によって
吹き上げられた多量の砂塵が上空の風に運ばれて日本まで飛来し、降下する現象のことを言います。

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黄砂は砂としては粒子が小さく、約0.5~5μm程度の粒子で一般的には4μmくらいのサイズがピークになります。
そのため、地質学的な分類では、厳密には砂ではなく泥になります。

黄砂_1~1

硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム等を含み、炭酸カルシウムに関しては10%以上も含んでおり、アルカリ性を示す特性があります。
黄砂がアルカリ性であることを示す事例として、黄砂の飛来中に雨が降ると通常の降水時には酸性であるpHが、
pH7~8に傾きアルカリ性を示す場合が多いことがわかっています。
これはカルシウムイオン(Ca2+)濃度の増加による物ですが、黄砂中の主要鉱物であるカルサイト(炭酸カルシウム)が雨水中の
過剰な酸性イオン濃度に対応して中和反応的に溶け出したためpHがアルカリよりに変化したことに依るものです。





車両への影響

黄砂が車のボディーに付着した状態で雨に降られると、塗装面上にアルカリ成分が広がって残留するため、
洗車をした際には撥水コーティングがしてあるような場合でも、一時的に塗装面が撥水しない状態になります。
アルカリは塗装面に残留しやすく、中性のボディシャンプーなどで洗浄しても残りやすい性質があります。
しかし、このアルカリ自体はpH7~8程度が一般的で、塗装に対してこれ自体が急激な攻撃性があるというほどではありません。

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ですが大きな問題として、黄砂に多く含まれるミネラル分はイオンデポジットの原因となるカルシウムイオンやマグネシウムイオンが主体であるため、
黄砂が塗装面に付着した状態で雨が降ることでイオンデポジットが発生してしまいやすい状況が整ってしまうことが考えられます。
イオンデポジットは、カルシウム(カルキ)などの成分が水に含まれた状態で塗装面に存在し、水滴として蒸発をした場合に多く発生します。
黄砂に含まれている炭酸カルシウムなどがアルカリ性の水分に流れ出し、水分が蒸発する際に水に溶け込んでいた
二酸化炭素や酸素などと結びつきながら堆積して白い固形物を形成します。
さらに再び水分が付着すると、固形物が壁の役割をして同じところに水滴が出来るので、蒸発と堆積の繰り返しながら強固な固着物となっていきます。
この現象は、黄砂に限らず夏場の洗車による水道水や井戸水の使用でも見られるモノではありますが、
黄砂の場合にはその原因物質が多く含有されているため起きやすくなります。






黄砂への対処方法

つまり、黄砂自体が車の塗装に悪影響を及ぼす事はありませんが、黄砂+水分(アルカリ性) が非常に厄介だという事です。

最も重要なメンテナンスは、黄砂付着後、雨に降られる前か直後には洗車をして黄砂を除去する事です。
その洗車に対しても、黄砂は砂ですので洗車方法にも十分に注意してください。
大量の水としっかりと泡立てたシャンプーでソフトに作業を行う事で洗車傷を防ぐことが出来ます。
また、弱酸性のシャンプーには黄砂のアルカリ成分を中和する作用があり、
アルカリの残留を防いで塗装面やコーティング被膜の性質を素早く取り戻すことが可能な上、
軽度のイオンデポジットの除去作用も期待できることから、大変有効な手段であるということが出来ます。

春は夏についで洗車の難しい季節です。
同時期に発生する花粉や今年大きな環境問題として取り上げられているPM2.5など、複数の物質が同時に飛散して塗装面には付着しています。
そのため、単純に黄砂に対しての対応のみで塗装面への影響を除去することは難しい場合もあります。
例えば花粉は成分的にタンパク質が主体で塗装に与えるダメージのメカニズムも全く異なります。
含まれるアミノ酸が降雨で塗装面に固着し、乾燥で収縮を起こしダメージを与えます。
また、PM2.5は比較的近年になり着目された物質で、これは工場や自動車の排煙やVOCなどの環境汚染物質が粒状化したもので、塗装面に与える影響などの知見もまだ少ないので、今後の研究が必要です。




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Category: 磨き屋のウンチク   Tags: プレスライン  研磨  方法  バフ  パネル際    磨き  塗装  

プレスラインの研磨方法 ~パネル際の磨き~

お客様より磨きについてのお問い合わせを頂きました。
ブログを使って簡単ですがお答えさせて頂きます。
マニアックでダラダラと長い内容なので、興味の無い方にはツマラナイと思いますが失礼します。

以前のブログ、車磨きの3大要素とポリッシャーの操作方法でも、
基本的な内容をご紹介していますのでよろしければご参照ください。

お問い合わせ内容①
「ポリッシャーを購入し、自分の車を磨いてみたのですが、
パネルの際のキズを取ろうとして塗装を剥がしてしまいました。
塗装を剥がずにパネル際をしっかり磨き込むにはどうすれば良いのでしょうか?」


パネルの凸部分や際等は、上手に磨かないと塗装を剥がしてしまいます。
その為、マスキングテープで保護してプレスラインやパネル際は磨かない施工店もあるくらいです。
磨きに不慣れな場合は、リスクを避ける為に最初はこのような方法で十分だと思います。
ただ、欲を言えば、マスキングテープは“磨いてはいけない部分”を保護する為のモノで、
“磨きたくない部分”を養生するモノではありません。
美しく仕上げる為には細部の完成度が物を言います。

コツをつかめば、パネル際や凸部分をリスク無くしっかり磨ける方法を
プレスラインの磨きを例にとってご説明します。


■プレスライン研磨

まず、プレスラインの磨きで絶対にやってはいけない事はラインをまたぐ様に磨いてしまう事。
シャープなラインも、山を馴らしてしまうようなバフの当て方をしてしまうと、
山の頂上に多くの抵抗が掛かる為、ラインが削れて輪郭がぼやけてしまい、
のっぺりとした印象を与えてしまいます。
パネル際の磨きに置き換えると、山を馴らす様な研磨、これこそが塗装を剥がしてしまう原因です。
下の写真はプレスラインが給油口の蓋を横断するように入っています。

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画像ではプレスライン上部を磨いています。
プレスラインを際立たせる(尖らせる)ような研磨をするには、
シングルポリッシャーの場合、ほとんどが右回転(時計回り)ですので、
山に登っていくバフ側(右側)を当てて、下る側(左側)は写真の様に塗装から浮かせる為に少しだけ傾けます。
下のパネルも同様の磨き方をする事で、キャラクターラインを際立たせる事が出来ます。
パネル際も同じ要領で、際から戻ってくるバフ側を当てないようにすると
塗装を剥がすような失敗をする事なくしっかり磨けるはずです。



■平面の研磨

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平面は、ポリッシャーが暴るのを嫌がって傾けてしまいがちですが、
塗装面と平行にバフを当てるとしっかり磨き込む事ができますので
回転数等を調整しながら研磨してください。

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Category: 磨き屋のウンチク   Tags: 新車  磨き  必要  

新車に磨きは必要なのか?

新車には磨きが必要無いのではないか?
と思われるかもしれませんが、3つの理由から磨くべきです。


つ目に、新車と言えどもお客様の手に渡るまで長い月日を要しています。
メーカーの製造ラインから出荷 → モータープールで保管 → ディーラーへ陸送(又は船便)→ お客様へ 
新車時は傷は無いものと思い込みがありますが、
特に輸入車は、新車でも照明を当ててみるとキズが多数存在している場合があります。

つ目に、ガードワックス・酸化膜の除去です。
モータープール保管時に塗装を保護する為に塗布されるガードワックスの油分(有機質)が、
出荷時の洗浄で完全に除去されていない場合、塗装上層で酸化膜を形成している事が考えられます。
これはバフ研磨する事のみで除去が可能です。

つ目に、塗装には“塗り肌”というものがあります。
クリアーの肌目、塗装肌の凸凹(ラウンド)の事を言います。
この凸凹を少しだけ馴らして艶感を向上させる事が出来るからです。
これはレベリングされ平滑で均一な下地を形成する事にも繋がります。


マセラティ
いずれにしても肌目を無くしてしまう程の深い磨きを新車に入れる事はありません。
ただし、どんなに良いコーティング剤も下地の状態がお粗末なものであれば、本当の効果を発揮できません。
要するに、コーティング被膜の定着しやすい下地を作る為に均一な磨き処理を行う。
これが、新車でも磨きを入れる理由です。


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